紅茶を片手に。

ゆるゆるまったり。

21世紀になってタバコなんて吸うもんじゃないよ

タバコは、20世紀の遺産みたいなもんだよ、きっと。文豪なんかが吸ってたのは、それはまるでチンダル現象のような、海外への憧れがあったからなんだよ、きっと。

洋食やヨーグルトなどの乳製品が流行ったのも、きっとそうなんだ。

 

僕は間違いを犯した。

それは、彼らを理解しようとしたが為に、喫煙を経験したことだ。正確には、以前にも理解しようとして試みたことはあったんだけど、吸い方がわからないし正解なのか否なのかもわからなくて、結局諦めた。

 

しかし、今回は違った。人として好きなふたりが吸ってるものを、自分だって理解したかったのだ。

まぁ、それはもう過去のこと。

そして半分は、バンプの藤くんやチャマが吸ってる(吸ってた)から。

 

 

ところで、室内で喫煙ってあんまり美味しく感じない。というのも、どれだけ広い部屋であっても仕切ってあるから、換気扇が付いていようが吐き出した煙が外へ逃げるなんてあんまり期待できない。

だからこそ、屋内喫煙所というのはだいたい白い霧のようなぞっとする光景になるのだ。

一方、屋外の喫煙所で、しかも周りに影響を出さないくらいのスペースで吸うようなタバコはなかなか美味しい。

 

さらに言えば山奥だ。大学の喫煙所ような。

そして自分が美味しいと感じられるのは、恐らくこの寒い冬だけである。

乾いた空気で、気温が低くて、飲んだ煙と冷えた空気が肺を巡り、ゆっくりと吐き出した煙が前方へまっすぐに伸びていく。

「なんだ、なかなか美味しいじゃないか」

 

あんな気持ちはあそこでしか味わえないのだろうか。

改めてバイト先の喫煙所で吸ってみる。

「なんだこれ、くそまずい、いや、まずいどころじゃねぇ。ムカつくくらいだ」

服にも髪の毛にも、たくさん染み付いてくれるじゃないか。

 

 

やっぱり僕はタバコなんてダメだ。煙はどうしても好きになれない。

でも、大学の喫煙所で見た、新しい景色は大好きだ。

それはとてもきらきらと輝いていて、冷たい空気を思い出して、身体の温かさを覚える。